India　Varanasi

もっちはミネラルウォーターの補充しに部屋を出ていた。
その間、ハオは旅の資金の整理をしはじめた。

そのときだ。

ゴンゴン

ノックの音がした。


もっちが戻ってきたのかと思って、ドアを開けた。

すると、もっちではなくてホテルのボーイが立っていた。

どうやらタオルを持ってきてくれたようだ。

もっちだと思っていたので、手には紙幣を何枚か握ったままだった。
それに気づいたボーイは



目をカッと開き、紙幣をジーッと見つめた。

その顔はすごい怖かった。
「マネー！マネー！マネー！」というオーラがものすごく放っています。
身震いがしたので、ボーイを部屋から出したくなって
「ヘイ！」と呼んだ。

だが、ボーイは反応しない。

「ヘイ！」と繰り返し呼んだ。
ボーイはそれでも反応しない。
ハオが握っている紙幣だけしか見ていない。


思わず、ハオはその紙幣をポケットにしまった。

我にかえったボーイは
『タオルを持ってきました』
と優しそうな表情を浮かべる。


金を魅せられた人間は変わる
ということを痛感しました。



この人がボーイ。
金に対する執着がすごかった。

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